その他事業
SGG(SNBL Global Gateway)
米国ワシントン州に拠点を構える当社施設を中心に、長年培ってきたCRO事業およびトランスレーショナルリサーチ(TR)事業を活かし、日米のアカデミア、投資家、プロフェッショナル企業などとの強固なネットワークを最大限に活用するSNBL Global Gateway(SGG)プロジェクトを展開しております。このプロジェクトでは、研究、人材育成、ビジネスインキュベーション、情報発信を推進し、グローバルな視点での新たなビジネス創出を目指します。
本プロジェクトは、グローバル投資事業において豊富な実績を持つSBIグループと共同で推進し、ビジネスインキュベーション施設の運営に加え、ファンドの運営にも注力しております。日米の権威ある複数のアカデミアとの協力により、大学発のベンチャー企業の創出等を通じて、研究成果の社会実装を加速させます。同時に、主に米国市場への進出を目指す日本企業および日本市場への参入を計画する米国企業の成長を支援し、双方に新たなビジネスチャンスを創出します。
新日本科学グループとSBIグループの両社の経験と強みを結集し、ビジネスインキュベーション事業とファンド事業のシナジーを最大限に発揮することで、事業の拡大と成長を推進してまいります。
Gemsekiインベストメント
子会社の株式会社Gemsekiインベストメントでは、同社を無限責任組合員として投資事業有限責任組合を組成し、医薬品および医療機器等の研究開発を行うベンチャー企業への戦略的投資による資金提供を積極的に行っています。また、当社Gemseki事業部では、ベンチャー企業やアカデミアの事業推進に不可欠な、パートナーシップの構築やライセンス活動といった事業開発活動を強力にサポートしています。
両事業の主な目的は、資金や人材などの経営資源が限られるベンチャー企業やアカデミアの成長を支援し、価値向上を図ることにあります。まだ世に出ていないものの、優れたポテンシャルを持つ世界中の創薬・技術シーズを“原石”として発掘し、それを磨き上げ、価値ある新薬や医療機器という“宝石”へと昇華させることを目指しています。革新的な医薬品・医療機器の創出を推進し、その成長を支えるために、あらゆる支援を新日本科学グループとしてワンストップで提供する体制を整え、グローバルな医療の進展に貢献してまいります。
シラスウナギの人工種苗生産開発
新日本科学は鹿児島県沖永良部島において、ニホンウナギの人工種苗生産開発に取り組んでいます。種苗(しゅびょう)とは、養殖に使用される稚魚のことです。ウナギの養殖(養鰻)はシラスウナギを種苗として用いていますが、種苗に使用されているシラスウナギは河口域で採捕された天然シラスウナギのみであり、人工的に生産されたシラスウナギは用いられていません。
二ホンウナギは個体数の減少から2014年にIUCN(国際自然保護連合)レッドリストの絶滅危惧IB 類(近い将来の絶滅の危険が高い種)に指定されました。そうした希少さから、シラスウナギは「白いダイヤ」とも呼ばれ、密漁などの問題も発生しています。
種苗生産による大量生産が実現すれば、ニホンウナギの完全養殖による商業化が可能になり、市場の安定化と共に天然資源の乱獲防止、日本の食文化と海洋資源の保全に貢献することができます。また、現地( 沖永良部島) においても新たな産業として地域経済に貢献できると考えています。
人々の健康向上に向けた新しい取り組み
新日本科学はRWD(リアルワールドデータ) の利活用の普及に向けて、2020年より3年間順天堂大学に共同研究講座を設置して研究を推進してきました。
RWDとは、日常的に得られる医療・健康領域のデータの総称です。RWD はデジタル技術の発展に伴い、診療関連データの電子化が進んだため、大量のデータ収集が可能ではあるものの、データが標準化・構造化されていないことが課題とされています。
当社は長年かけて築いてきた製薬企業、医療機関、アカデミアとのネットワークを有効活用しつつ、デジタル技術とRWD を活用した事業化の支援を積極的に推進しています。RWD の利活用が進むことで、新薬の臨床開発プロセスの効率化、高齢化に伴い増大する医療費の抑制、健康管理・予防サービスの質の向上など、多くの人々の健康の向上と持続的な社会保障制度の実現に貢献できると考えています。