ニホンウナギの完全養殖

  • 生物多様性保全

鹿児島県沖永良部島において、ニホンウナギの人工種苗生産開発に取り組んでいます。種苗(しゅびょう)とは、養殖に使用される稚魚のことです。ウナギの養殖(養鰻)はシラスウナギを種苗として用いていますが、種苗に使用されているシラスウナギは河口域で採捕された天然シラスウナギのみであり、人工的に生産されたシラスウナギは用いられていません。

二ホンウナギは個体数の減少から2014年にIUCN(国際自然保護連合)レッドリストの絶滅危惧IB 類(近い将来の絶滅の危険が高い種)に指定されました。そうした希少さから、シラスウナギは「白いダイヤ」とも呼ばれ、密漁などの問題も発生しています。 種苗生産による大量生産が実現すれば、ニホンウナギの完全養殖による商業化が可能になり、市場の安定化と共に天然資源の乱獲防止、日本の食文化と海洋資源の保全に貢献することができます。また、現地( 沖永良部島) においても新たな産業として地域経済に貢献できると考えています。

沖永良部島の研究所
沖永良部島で人工生産した
ウナギの試食会
(2024年5月13日)
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